この記事では
・ギャンブルをやめたいけれどやめることができない。
・しばらくやめていてもスリップ(※すべること、絶っていたギャンブルを再び始めてしまうこと)を繰り返してしまう。
・借金が大きくなるほどギャンブルする家族をやめさせたい。
そのようなギャンブル依存症の問題で悩んでいる方に、
- ギャンブルをやめ始める方法
- ギャンブルをやめ続ける方法
それぞれに分けて解説していきたいと思います。
私自身も数年にわたり依存に苦しんでおり、家族に大きな迷惑をかけてまいりました。
もう次は失敗できないと思い、本やインターネットやGA(自助グループ)などから得た情報を元にやったほうが良いと思ったことや失敗につながる行為などをまとめていきます。
ギャンブルをやめるきっかけを与えてくれるもの
ギャンブル依存症に陥ってしまった人でも、必ず「ギャンブルやめよう」というきっかけが来る時があります。
「底つき」する
ギャンブル依存症にとって最も脱ギャンブルするのに適したきっかけというのは、いわゆる「底つき」だと思います。
ギャンブルをやめる決心をするタイミングで最も多いのがこの「底つき」をしたときだと思います。
底つきというのがどういう状態かと言いますと、ギャンブルによって完全に生活に支障をきたし、生活が回らなくなってしまい、お手上げ状態となることです。ギャンブルに対して諦めを認めることとなります。
ギャンブル依存症へ対する一般的なイメージというのは、ギャンブルが好きで楽しいがあまり狂うほど賭けるというイメージが一般的かもしれません。
ですがギャンブル依存症の実態は「失ったお金を取り戻さなければならない」という強迫観念のもとに自分自身のコントロールを失っている状態です。
具体的な底つきの例を挙げてみたいと思います。
- 借金の支払いの為のお金をギャンブルして増やそうとしたのだが、失敗してどうやっても返済できなくなり、家族に白状した。
- 家庭内や職場のお金を盗み、ギャンブルして増やしてバレないうちに元の場所へ戻そうと思ったが、ギャンブルで全部使ってしまい戻せなくなってしまった。
- 闇金からお金を借りてしまい、返せなくなって取り立ての電話等が鳴りやまなくなり精神的にもやられてしまった。
このように本人の力ではもうどうすることも出来なくなってしまい、周囲の人に助けを求めざるをえない状態が「底つき」です。
また、お金の為に犯罪に手を出して逮捕されるというケースもあります
理不尽な大負けをしたとき
ギャンブル依存症というのは基本的には日常的に、そして長期間に渡りギャンブルをしています。
「勝った」「負けた」を繰り返しているのが当たり前となっている為、自分である程度の金額の負けは受け入れることができます。
ただし年に数回または頻度によっては月に数回ほど、自分自身の想定を大きく超える損失金額を出してしまうことがあります。
こういう時は大体の場合、自分自身の想定と違う展開になってしまったりして、頭に血がのぼり、熱くなってしまって「負けを取り戻そう」と普段では考えないような金額を賭け、結局すべて失ってしまうということになります。
全てを失った後にようやく「自分はなんてことをしてしまったんだ」と激しい後悔に襲われることがあります。
ギャンブルという存在に対しての激しい怒りを覚えることもあります。
更には自分自身への怒りが最も大きいでしょう。
こうして大負けをした時に「もうギャンブルをやめよう」と決意します。
自分でギャンブルで勝つのは無理だと冷静に気づいたとき
自分自身で冷静に
- 毎月、毎月ギャンブルでお金を○○万円くらい失っているな
- 借金を返すためにはギャンブルしている場合じゃないな
と、自分でギャンブルに見切りをつけ、合理的に考えられるというパターンです。素晴らしいと思います。
ギャンブルに夢を見ることをやめる。ギャンブルを諦める。
恐らくですが、ここで辞める決意ができる人はまだギャンブル依存症の領域にまでは達していなかったと考えて良いと思います。
ギャンブルを辞め続けていく為に必要な行動 6選
さて、上記のようにギャンブルをやめるとようやく決意することができたとしましょう。
しかしそれだけではまだスタートラインにようやく立っただけです。
厳しい言い方ですがまだ1歩も歩いていないと言ってしまっても良いでしょう。
ここではギャンブルをやめ続けるためにとるべき必要な行動とやらないほうが良いことを紹介していきたいと思います。
1.インターネット経由でのギャンブルを防ぐ措置をとる
近年スマホ1つでギャンブルが出来てしまうオンラインカジノや、気軽に競馬や競艇をネット投票出来てしまうことから、インターネットを利用したギャンブル依存症の割合が大きく増えていることが問題となっています。
解約及びログインできない措置をとる
ギャンブルをもう2度としないと決めた今だからこそ取れる手段です。
オンラインカジノのサイトで解約を申し込み、もう2度と利用できないように申請すると凍結措置をとってもらえます。そうすると2度と利用できないようになります。
(ただし、サイトによっては自分で再び利用できるようになってしまうため要注意です。)
競馬や競艇などの公営ギャンブルでも申し込むことによって、ネット投票を利用できないようにしてもらえる方法があります。
アプリでギャンブルサイトへのアクセスを防ぐ
アプリ「Gamban」を使用することによってインターネットのギャンブルに関連するページを閲覧できないようにしてくれる方法もあります。
パスワードを入力するのですが、その際に家族などに設定してもらい自分では解除できないようにする方法がおすすめです。
2.ギャンブル場への出入り禁止措置をとる
インターネットでのギャンブルをできないようにしても、パチンコ店や公営ギャンブル場の現地へ行ってギャンブルをしてしまっては元も子もありません。
パチンコ依存症であれば、行きつけの各店舗に申請をすることによって入店できなくする対策があります。
またどこまで制限できるのかはわかりませんが競馬場などでも、本人又は家族からの申請によって一定期間出入り禁止措置をとってもらえるとのことです。
3.お金を持たない対策をとる
ついつい手元にお金があると、ギャンブルをしてしまいたくなるのがギャンブル依存症の性(さが)というものです。
財布に1日で使う最低限のお金しか入れない
パチンコ・スロットなどの現地に行って賭けるギャンブルをする方にとっては、財布の中に必要最低限以外のお金を持たないという決まりを作りましょう。
その日1日だけ生活するのに必要なお金(500円とか1000円とか)だけ持ち歩き、翌日にはまたそのお金だけを持って家を出るという対策です。
なかなかに面倒くさいと思いますが、ギャンブルをしないためには手段を選んでられません。
お金の管理をしてもらう
周りに協力してくれる家族などの存在がいれば、金銭面の管理をお願いしましょう。
ギャンブル依存症は自分で金銭の管理をする力を失ってしまっているので、当面の間は誰かに代わりにやってもらうのがまず間違いないです。
自分で自由にお金が使えなくなるというのは、これまで散々好き勝手にやってきたギャンブル依存症からすると、そのギャップがあまりにも大きく感じられて窮屈に感じると思います。ですので、どこまで管理してもらうかはよく話し合う必要があります。
普段使いの銀行口座にはお金を残さない
インターネットを経由するギャンブルをやっている方にとっては、いつも使用している口座にお金が入っていればすぐにネットバンクからギャンブルが出来てしまいます。
ですので普段使用する口座には極力お金を入れないでおきましょう。ふとした気のゆるみから再びスリップするのを防ぐためです。
給料などお金が入ったら、「返済用」や「貯金用」、NISAなどに入れる。
最低限の生活費はまとめておろして、家で保管する等の仕組みが必要となってきます。
各種支払い用の引き落とし口座は、普段は自分では触れないようにするなどの対策が必要です。
4.貸付自粛制度で借金をできないようにする
貸付自粛制度とは日本貸金業協会が実施している制度です。
こちらに申し込むと5年間の間、原則として新たな借り入れができなくなります。
審査なども通らなくなるためクレジットカードなども新たに作ることはできません。
私自身、利用しましたが本当にどこも貸してはくれませんでした。
お金が急遽どうしても必要になり、事情を説明してもどこも取り合ってはくれませんでした。
本人が申し込んだ場合には3か月経過すると、本人で解除できてしまうことには注意が必要です。
私はこっそりと自分で解除してしまい新たに借り入れをしてしまいました。
継続して自粛制度を使用し続けているかの確認が必要となってきます。
5.自助グループに参加する
同じようにギャンブル依存症で悩む人たちで集まる自助グループへの参加があります。
最も有名なのはGA(ギャンブラー・アノニマス)と言う団体です。世界中にありますし、日本にも各地にあります。
ここではミーティングといって、同じようにギャンブルを辞めたいという人たちがそれぞれ胸の内を明かすことにより、精神的なギャンブルへの欲求を無くしていくということができます。
またこのGA以外にもオンラインでミーティングを行っている団体もあります。
ただし、一度だけの参加だけでなく継続的に参加し続けていく必要があります。
6.X(ツイッター)を使って定期的に禁ギャンブルのポストをする
X(ツイッター)上では同じように禁ギャンブルを宣言して辞めて何日というようにカウントしている仲間が大勢います。
自分で日記やブログなどでカウントしていくよりも、多くの人がいるX上で行うことにより、周りのユーザーに刺激を受け禁ギャンブルを継続していく励みになっていきます。
禁ギャンブルの障害となるやめた方が良いこと
YouTubeやX上でのギャンブル系の動画や投稿は見ない
これまでYouTubeでギャンブル系の動画を見ていた場合や、Xでギャンブルに関する投稿を見ていた方には、おすすめで勝手にどんどんアップされてきてしまうと思います。
わざわざ言う必要もないかもしれませんが、「動画を見るだけ」というのも脳にはものすごく刺激されてしまいます。
大勝ちした様子を画面越しに見るだけでも、脳内では大量のドーパミンが分泌されてしまいます。そうすると自分でもやりたくなってしまい、スリップするのはすぐと言えるでしょう。
なので絶対にやめた方が良いです。
おすすめに上がってこないようにするために、アカウントを変えるとか、フォローを外すなどという対策が必要になってくることもあるでしょう。
借金の肩代わりはお願いしない
家族等にギャンブル依存症で借金があると打ち明けた時に、家族によっては代わりにいったん返すからという借金の肩代わりを申し出てもらう場合もあるかもしれません。
日本において借金というと、「悪い」「恐い」「恥ずかしい」というイメージがあります。
更に利息が高くもったいないという理由から、肩代わりしてしまう家族は多くいます。
私自身も家族に肩代わりしてもらったことにより、再び借金を繰り返し、最終的にはよりひどい状況になってしまいました。
何故肩代わりが良くないかというと、
- 貸付自粛制度を利用していない限りは再び借金をできてしまう。
- 肩代わりしてもらうと精神的プレッシャーが減り、ギャンブルを辞めなければいけないという意識が薄れてしまう。
- 無意識のうちに甘えが生じ、もう一度くらいなら助けてくれるだろうという意識が出る。
実際に肩代わりしてもらったが為に、私と同様に同じ失敗を何度も繰り返す人は多くいます。
肩代わりしてもらってキッパリ辞められず、ギャンブル依存を繰り返していくと、金銭的に今より悪い状況になってしまうのはもちろんのこと、家族からの信頼も完全に失うことになるのでやめた方が良いです。
ギャンブル依存症は異常な状態であり、普通の人の感覚ではないのです。
金銭面でいきなりガチガチに自分を締め付けるのは危険
上で「禁ギャンブルを続けるための方法」で書いたこと(お金の管理をしてもらう・貸付自粛)と矛盾すると思われるでしょうが、いきなりガチガチにルールを決めてしまうと、これまでギャンブルで泡のようにお金を溶かしていたルーズな金銭感覚とのギャップが大きすぎて非常にストレスを感じることとなると思います。
反動も出やすくなってしまいます。
そして借金が出来なくなったり、自分で使えるお金がなかったり、万が一スリップしてギャンブルに使えるお金欲しさに、今度は窃盗などの犯罪に手を染めてしまう可能性があります。
ですので大部分は家族に金銭管理を任せるなどしても、ある程度は自分で管理できる部分も持っていた方が続けられるのではないかと個人的には思っています。
まとめ
今回は失敗しないギャンブル依存症の克服方法について書きました。
1.ギャンブル依存症がギャンブルをやめはじめるきっかけを作るのは
- 底付きで無力を感じた時
- 理不尽な大負けでギャンブルに心底嫌気が差したとき
- ギャンブルで勝っていくのは無理だとあきらめた時
2.ギャンブルを止め続けていくのに必要な対策は
- ネットを使用してのギャンブルをできないようにする
- ギャンブル場への出入り禁止措置をとる
- 不要なお金の所持をしない
- 貸付自粛制度で新たな借金をできないように
- 自助グループへの参加
- SNSへの公開でやめ続ける
3.やらないほうが良いことは
- ギャンブル系のSNSは見ない
- 借金の肩代わりはしてもらわない
- 金銭面でいきなり自分を締め付けすぎない
ギャンブル依存症から立ち直るのは、決して簡単にいくものではなく時間をかけて回復に取り組んでいかなければなりません。
それでも1ヶ月・3ヶ月・半年・1年と継続してギャンブルを断ち続けていくことによって必ず回復していくことは可能ですので諦めずに取り組んでいきましょう。
当ブログでは、他の記事でも依存症についての記事をアップしていますのでよろしければ参考にしてください。