この記事はパワハラで苦しんでいる方・悩まれている方の少しでもお役に立ち、今より状況が改善される為に少しでもお力になれればと思い書かせていただきます。
パワハラに悩んでいる当事者にとっては、毎日の仕事へ行くのが苦痛で、仕事場でも更に苦しい時間を強いられます。
・パワハラの分類及び分析
・パワハラから自分自身のメンタルを守るための対策
・パワハラに対する対処法
この記事では、パワハラを受けているけれど、会社や上司等に相談することが難しいという方に向けての内容も多く書いていきたいと思っています。
それでは参りましょう。
パワハラの種類とは?まずは6つの分類と具体例
一言でパワハラといっても、実に様々な被害があります。
まずは一般的に言われているパワハラの6つの類型について確認し、整理してみましょう。
整理することによりそれぞれへの対応策を見つける糸口になると思います。
1.身体的な攻撃
これはもっともわかりやすい(目に見えやすい)パワハラかと思います。
暴力を振るう。叩く。蹴り飛ばす。胸倉をつかむ。モノを投げつける等々。
実際の行動が伴っており、する方もされる方もすぐに自覚できます。
昨今の何をしても「パワハラ」といわれかねない世間においてパワハラの加害者もこの目に見える「身体的な攻撃」を避ける傾向にあり、10年前20年前に比べると、どの業界でも確実に減っているパワハラではあります。
とはいえ、この「身体的な攻撃」がゼロになったかと言いますと決してそんなことはありません。
具体例
継続的ではないにせよ、私自身も過去の上司や先輩に、
- 胸ぐらをつかまれる
- モノを投げつけられる
- 掴みかかられて倒される
等の経験はありました。(そういうことがまかり通っていた業界ということもありましたが。)
他の例としては、
- 腕をつかむ、襟首をつかむ
- お茶や水をかける
- ノートや丸めた紙などで頭をたたく
- 服を強く引っ張る
等もあるようです。
現代では上にも書いた通り全体のパワハラのニュースやSNS等の普及もあり「暴行」・「傷害」にあたるこの「身体的な攻撃」のパワハラは加害者にとってリスクが大きいこともあり割合は減少しています。
2.精神的な攻撃
精神的な攻撃のパワハラとは、あきらかな人格否定・名誉棄損・あざ笑う・バカにする・受ける方が苦痛に思うような皮肉・周囲の人がわざといるところでの叱責etc・・・
いわゆる 言葉の暴力 がこれに多く当てはまります。
この「精神的な攻撃」のタイプのパワハラも直接相手に作用するものなのでやっている側も受けている側も比較的自覚を持ちやすいタイプになります。
現代では、「精神的な攻撃」のパワハラの割合が最も多くなっています。
具体例
人格を否定するような暴言
- やる気ないなら帰れ
- 働かなくても給料もらえるんだから良いよな
- いつになったら覚えられるの?
- 親の顔が見てみたい
- 本当に大学出てるの?幼稚園からやり直してこい
などなど。
なかなか書いていてきつい言葉たちです。新人時代私もこのような言葉を浴びせられた記憶があります。
雇用不安を与えるような発言
- きみの代わりはいくらでもいるからいつ辞めてもよいよ
- いつ~○○までに出来るようにならなければやめてもらうから覚悟しといてね
- 他の就職先探しておいた方が良いよ
- もうこなくて良いよ
等です。
これらの類のパワハラが日常的に続くようであれば、こっそりスマホで録音しておくのは後々何かあるときの為に有効な手段だと思います。
3.人間関係からの引き離し
無視をする・社内イベントに呼ばない・他の人との人間関係を作らせないようにわざと仕向けるetc・・・
中高生のいじめじゃないんだからと思うかもしれませんが、こういうしょうもないことをする人って確かに社会に出てからもいますね。
そしていざ自分がこういうパワハラに遭うとかなり精神的に参り、終いには仕事へ行くのが困難になったり、うつ病などの精神疾患に至る可能性も多くなります。
「私って必要とされていない人間なんだ」って突きつけられているようで本当にひどいと思います。
上記2つの「肉体的な攻撃」「精神的な攻撃」が一般的に「個人」と「個人」の問題から発生しやすいのに対し、
この「人間関係からの引き離し」のパワハラについては「個人」対「複数」であることが特徴に挙げられます。
個人に対して、会社ぐるみ、職場ぐるみ、部署ぐるみ、チームぐるみ等でいわゆる「仲間外れ」状態にし、居場所を奪うというのがこのパワハラの恐ろしい点です。
このパワハラの被害に遭った場合には環境を変えるという手段を使わない限りなかなか根本的な解決には至りません。
なぜなら、このパワハラの原因を作っている人はその会社、職場、部署などで一定以上の権力(パワー)を持っているケースが多いためです。
職場内で相談できる相手がとても限られてきてしまう可能性が高くなっています。
これも直接ではないにせよ、言われた側にとっては仕事上業務に支障をきたす恐れがありますし、陰口・悪口を言っているのが立場が上である人の場合パワハラとみなされると思います。
4.過大な要求
どう考えてもこなしきれない仕事量を与える、長時間労働や過度な残業、休日出勤をさせる等の過度の労働を強いるパワハラ。
これに関しては普通の長時間労働とパワハラになるものの境目が難しいですね。
期待を込めて多くの仕事量を任せる上司がいて、それに応えようと自ら残業・休日出勤をする部下のケースの場合などは非常に曖昧なところです。
その職場の周りの人の平均の仕事量、労働時間と比べ誰から見てもわかるような過度の仕事量ならパワハラになりうるのかもしれません。
- 加害者が無理やり働かせているか
- 被害者が強制的に働かさせられているか
- 会社として無理な仕事量や勤務時間を設定していないか
というようなところが見極めのポイントとなってきそうです。
具体例
- 能力や実力を超えた無理なノルマの押し付け
- 明らかな本人のキャパシティオーバーの業務を押し付ける
- 長時間労働の押し付け
- 新入社員に対し、充分な教育をしないまま高度な要求をし、出来ないことに対して度を超えた叱責をする
5.過小な要求
上の「過大な要求」とは逆のパターンになります。
具体例
- 仕事を与えてもらえない、業務を任せてもらえない
- 雑用のような誰でも出来る簡単な仕事しかさせてもらえない
- 失敗したが故に、干されて仕事を取り上げられた
- 入社前に聞いていた業務より程度の低い業務ばかりさせられる
- 成長に繋がらない仕事ばかり割り当てられる
- 適正外、役職以下の仕事ばかり割り当てられる
「過小な要求」は周りから見ると、楽をしているように見えて何も起こっていないように見えるかもしれません。
過小な要求を生み出してしまう原因は
- そもそも仕事の暇な会社、部署に入ったため割り当てる仕事がない
- 能力が低いと判断され、自主退職に追いやりたいという職場の考えから
というどちらかの可能性が考えられます。
いずれにせよ、長期間続くと社内ニートのような状態に陥ってしまうかもしれません。
「社内ニート」に関しては別の記事で書かせていただきます。
6.個の侵害
すなわちプライバシーの侵害とも言い換えられます。
このパワハラに関しては加害者側に自覚(パワハラの認識)があまり無いという点が特徴です。
具体例
仕事とプライベートの線引きが無くなるつまりオンオフがつかなくなる。これもパワハラにあたります。
- 機微な個人情報を本人の了承を得ずに他人に暴露する
- 本人があまり言いたくないと思っているようなプライバシーに踏み込む、詮索する
- 職場外での継続的な監視
等が挙げられます。
立場上知ってしまった個人情報に値する情報を、面白半分で噂として流してしまうというようなこと。
恋愛意識があるがゆえに業務外で執拗に連絡を取るなど、パワハラしている本人の自覚が無いものは対処が難しいとも言えます。
逆に言えばこのパワハラの被害を受けた場合には、会社や他の上司等に相談し、パワハラ加害者を注意してもらう事で、ここまで紹介した6つの類型の中では最も解決への道が開ける可能性が高そうとも言えます。
自分の身は自分で守る!?自分で起こせる行動とは?
パワハラ被害を放置すると、心身への負担が大きく不調をきたしかねない
つらいパワハラ被害を受けてしまっても、頑張って我慢してしまったり、時間が解決してくれるのを待ち放置したり、「社会とはこういうものだ」と諦めて何も出来ないままほったらかしにしてしまう方もいるでしょう。
しかし継続的なパワハラ被害を放置してしまうと、いずれ自分の心身に不調をきたし、仕事を続けられなくなるばかりか、最悪の場合には日常生活にも影響を及ぼしかねません。
1.精神疾患
精神疾患は、脳内の神経伝達物質の乱れによって起こるといわれていて、「幻覚」や「妄想」のほか、気分の落ち込み、集中力の低下などが見られます。
いずれにしてもストレスが原因であることが考えられています。
パワハラから生じる精神疾患には主に以下のような病気があります。
うつ病
気分が強く落ち込み憂うつになる、やる気が出ないなどの精神的な症状のほか、眠れない、疲れやすい、体がだるいといった身体的な症状が現れることのある病気
適応障害
症状としてはうつ病と同様ですが、異なるのは適応障害は原因となるストレスがはっきりわかっている点です。
統合失調症
「妄想」や「幻覚」が見える、集中力・思考力の低下、不眠などの症状があります。
2.消化器疾患
ストレスが原因の消化器疾患は主に以下が代表的なものとしてあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
ストレスや過労が原因となることも多く、みぞおち周辺に痛みが出たり、吐き気がしたりするなどの症状がみられます。進行すると吐血したりしてしまう事もあります。
過敏性腸症候群
精神的なストレスや自律神経バランスの乱れなどから、便秘・下痢などが繰り返されてしまいます。
精神疾患・消化器疾患ともに、自覚症状を感じた際にはある程度進行していることも考えられますので早めに医療機関の受診をしましょう。
まずは「パワハラ」なのか「指導」なのかを見極めよう
仕事で受けているパワハラが本当に「パワハラ」なのか、はたまた「指導」なのかを一旦冷静に考えてみましょう。
パワハラと指導は何が違うのか?
これら2つは似ているようで目的が違います。
「パワハラ」はしている方(上司・先輩など)が立場や権力を振りかざし、相手を苦しませてしまう事です。
対して「指導」は相手の事を思い、成長・教育のために伝える行動となります。
例えば、「お前、ヤル気あるのか?」と上司が言った場合に
- 1. お前、ヤル気あるのか?(やる気ないんなら辞めてしまえ)
- 2. お前、ヤル気あるのか?(もっと頑張らないと、後々苦労するから頑張れよ)
同じ口調であったとしても、だいぶ意味が異なってきます。
1は突き放し、ぞんざい自体の否定でパワハラであり、2は叱責してはいるものの今後の発奮に期待した指導であると言えます。
言われる方としてはどちらも嫌な気分になるとは思いますが、自分自身に問題はなかったか、反省・改善すべき点が無かったかを振り返ってみることが必要となります。
今後、パワハラは減少していく世の中になっていくと思われますが、それにともなって、仕事上での「指導・教育」も減少していくと思われます。
「教官に叱られたから撃った」
候補生は調べに対し、こう供述しているという。 陸上自衛隊日野基本射撃場(岐阜市)で自衛官候補生(18)が自動小銃を乱射し、自衛官3人が死傷した事件。
日刊ゲンダイDIGITAL より
2023年6月15日に訓練中に18歳の候補生が教官を射殺してしまった事件が起こりました。
今後はこういった教官の立場の方々も「指導」の伝え方を慎重にしなければならないと言わざるを得ません。
上司・先輩である方は少なくとも仕事や社会人としての経験が豊富であり、視野も広いはずですので新入社員や若手の気になる点が見えてきてしまいます。
それを指摘してもらうのは、新入社員や若手にとっては成長のヒントとなることも多いので「指導・教育」の機会の減少は若い人にとっては、より自らの学びが大切となっていきそうです。
パワハラを受けていると思ったときに起こせる行動とは?
会社の相談機関または周囲の人への相談
現状を相談してみましょう。
これに関しては相談する人の選択を慎重に行いましょう。
過度にあなたの味方の人でもなく、かといってもちろんパワハラ相手の味方でもなく、なるべくフェアで視野が広いと思える人にしましょう。
会社の相談機関に相談する際には、その機関がしっかりと機能しているかを見極めることが大事となってきます。
また、相談する事で、仕事上余計にやりにくくならないかを考慮しましょう。
現在ではよほどの事ではない限り、どの企業もパワハラは企業イメージのダウンに繋がりかねない問題なので、被害を受けた側の立場で考えてくれるケースが多いようです。
社外の相談窓口に相談する
社内ではどうしても人間関係の問題等があり、相談しづらいと感じる場合には、社外に設置されている公共の機関に相談するのが良いです。
ただしデメリットとして、費用がかかってしまう恐れがあることと、社内の詳しい事情までわからない為、対策が一般的なものになってしまいかねないという恐れがあります。
パワハラをしてくる相手に直接問いかけてみる
これには良し悪しがあるとは思います。
相手がどういう思いをもってそういう言動をしてくるのか。
本人(達)に直接聞くのは、非常にはばかられるかと思いますが、どのような理由をもってそのような矛先が自分にくるのかを確かめてみるのが1番効果的かと思います。
- 指導と思い、あなたの為を思っているが、行動が度を過ぎている場合
- 本人の自覚が無く、自分の怒りをぶつけてしまっているだけの場合
- あなたへの個人的な感情からそういった行動に至っている場合
- またはそれらが複合的に重なっている場合
まとめ
この記事では、パワハラの被害に関して6つの分類とパワハラを受けることによる心身への負担、それに対する対処をまとめましたが、まだまだ私自身、勉強が不十分な点もあり、上手く説明出来ませんでした。また記事更新をし、明確な対処法を記入させていただきたいと思います。